希望のつくり方:玄田有史 [2011年読書記録]
本書は、東京大学で『希望学(正式名称は「希望の社会科学」)』という研究を行っている著者の研究をわかりやすくまとめた本です。
現代は、かつてのように希望が前提のように与えられていた時代ではなくなり、何のために、何を行えば良いのか分からなくなってしまった時代、といえます。そんな時代にあって、多くの人が希望がないと考えるようになったのはどうしてか?。そして希望をもてるようにするにはどうすればいいか?。といった問いにたいする著者の現時点の答えが記されています。
著者の一番うったえたかったこと、それは「希望は与えられるものではなく、自分(自分たち)でつくりだすもの」ということです。そして希望を作り出すためのヒントを提示しています。
希望というものはとてもデリケートなものです。
どんなに強い希望を持って生きていても、さまざまな出来事がいとも簡単に希望を打ち砕き、私たちを挫折へと導いていきます。希望そのものを持つこと自体、煩わしいという人もいるかも知れません。それでも希望を持ち続けることのできる人生は素晴らしいと思います。
希望を「つくる」こと。
そのために「対話」が果たす役割はとても大きいように感じます。
Nellson's MEMO
Hope is a Wish for Something to Come True by Action.
希望とは行動によって何かを実現しようとする気持ち。
希望は「気持ち」「何か」「実現」「行動」の4本柱から成り立っている。希望が見つからないとき、4本柱のうち、どれが欠けているのか探す。
いつも会うわけではないけれど、緩やかな信頼でつながった仲間(ウィーク・タイズ)が、自分の知らなかったヒントをもたらす。
失望したあとに、つらかった経験を踏まえて、次の新しい希望へと、柔軟に修正させていく。
過去の挫折の意味を自分の言葉で語れる人ほど、未来の希望を語ることができる。
無駄に対して否定的になりすぎると、希望との思いがけない出会いもなくなっていく。
わからないもの、どっちつかずのものを、理解不能として安易に切り捨てたりしない。
大きな壁にぶつかったら、壁の前でちゃんとウロウロする。
「苦しいときも○○していたら大丈夫」といえるもの。
2011-05-03 17:17
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