神話の力:ジョーゼフ・キャンベル [2011年読書記録]


神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

  • 作者: ジョーゼフ キャンベル
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2010/06
  • メディア: 新書


ジャーナリストのビル・モイヤーズと神話学者のジョーゼフ・キャンベルによる、神話についての対談です。モイヤーズはインタビュアーとしてキャンベルの聞き役に徹し、キャンベルは語り手に徹しています。

神話の力が生活から失われた現代、すなわち人間の精神性を支えるものが生活から失われた現代において、今求められている神話がどういうものか、その中で生きる私たちはどのように生きるべきかを、世界の様々な宗教や神話で語られる物語とそれらに共通して潜む意味をもとに、キャンベルが語っていきます。

精神世界や見えない世界のことをどの様に表現するか?究極の真理は言葉では表現できないところにあり、神話はイメージの力を借りて見えない世界を表現しています。そしてその見えない世界こそが人間を支えている。

約20年前の本ですが、語られている内容は普遍的なものがあり、この時代にこそ多くの人に読んでもらいたい本だと思います。

Nellson's MEMO

今を生きているという経験
人間が本当に求めているのは『いま生きているという経験』だと思います。

私たちは外にある目的を達成するためにあれこれやることに慣れすぎているものだから、内面的な価値を忘れているのです。「今生きている」という実感と結びついた無上の喜びを忘れている。それこそ人生で最も大切なものなのに。

二元性と一体性
あらゆる神話の基本的なテーマは、見える次元を支えている見えざる次元が存在していることです。

神話は二元的世界のかなたに一元的世界があり、二元性はその上で演じているシャドーゲームに過ぎないということを暗示しています。

時間という場は、超時間的な基盤の上で演じられる一種の影絵芝居です。そして、私たちは影の場で芝居を演じる。両極性のうちの自分の側を懸命に演じるのです。けれども私たちは、例えば自分の敵といっても、自分自身として見えるものの裏側に過ぎないことを知るのです。

私と他者とは一体である。私と他者とは一つの生命の二つの外見であって、別々に見えるのは、空間と時間の条件下でしか形を経験できないという知能の限界の反映に過ぎないという認識です。人間の真の実在は、あらゆる生命との一体性と調和の中にあります。

自我において死ぬこと
心理的未成熟の状態を抜けて、自己の責任と自信とに支えられた勇気を持つために、いったん死んでよみがえることが必要です。これが普遍的な英雄の旅の基本的なモチーフです。1つの状態を去り、より成熟した状態に達するために生命の源泉を見つける、というのが。

より良い状態を期待して、そのときのあなたの心理的状態から脱出することです。何か別の生命にいたることを願って現在の生命を捨てるのです。心の中で死んで、より大きな生き方ができるよう生まれ変わればいいのです。

自我をなくし、自分より高い目的のために、他者のために自分を捧げたならば、自我や自己保存を第一に考える事をやめたときに、私たちは、真に英雄的な意識変革を遂げるのです。

至福の追求
自分の至福を追求しなさいということです。自分にとって無上の喜びを見つけ、恐れずにそれについて行くことです。

自分の無上の喜びに従ってどんな人生を選ぶとしても、そこには誰から脅されようがこの道から絶対に外れないという覚悟が必要です。この覚悟さえあれば、人生と行動は正当化されます。

システムがあなたをロボット扱いしようとするのを拒否することですね。

これ(聖なる場所を持つということ)は今日すべての人にとって必要不可欠なことです。(略)本来の自分、自分の将来の姿を純粋に経験し、引き出すことの出来る場所や時間です。もしあなたが自分の聖なる場所を持っていて、それを使うなら、いつかなにかが起こるでしょう。

限られた場所、固定された生活習慣、決められたルールなどを後にしなければ、創造性を発揮することはできません。

神話は、なにがあなたを幸福にするかは語ってくれません。しかし、あなたが自分の幸福を追求したときにどんなことが起こるか、どんな障害にぶつかるか、は語ります。

苦しみと思いやり
神話は、私たちに苦しみにどう立ち向かい、どう耐えるか、また苦しみをどのように考えるかを語ります。

思いやりは、動物的な我欲から人間性への心の目覚めです。思いやり(Compassion)とは、元来ともに苦しむとおうことなのです。

人生における偶然と必然
自分の人生はかつて自分のしたことの報いである。自分以外に責めるひとはいないのです。

偶然を受け入れることができるか否かの問題です。最終的に人生は偶然でなりたっている。最良のアドバイスは、その全てをあたかも自分の意思であるかのように思う事です。

欲望や、恐怖や、社会的しがらみに駆り立てられないあなたが、自分の中心をみつけ、そこでの選択に従って行動できるあなたが見いだすであろう心の状態


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原発廃止に賛成しています。

オンライン署名「枝野さん、安全な電気がほしいです」
http://www.greenpeace.org/japan/ja/form/edano3/  

浜岡原発反対署名フォーム
http://www.plumfield9905.jp/hamaoka/form/form.php

上関原発反対!あなたの声を届けよう!
http://www.antinuke.net/kaminoseki/

また、原子力委員会が意見を募集しています。
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/tyoki_oubo.htm

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